食器館コラムVol.10~美濃焼 食卓を彩る日本一の器~
美濃焼は岐阜県東濃地方で製造される陶磁器の総称です。美濃焼を構成する種類の数が非常に多く、美濃焼独自の特徴というと表現が非常に難しいです。今回のコラムでは、美濃焼の特徴や歴史、著名な作家や窯元、これまでに取り扱った美濃焼についてご紹介します。
【美濃焼の特徴】
みなさまは「日本国内における陶磁器の生産額が多い地域」と聞いてどの地域を思い浮かべるでしょうか。多くの人が有田焼の製作地である佐賀県と答えるのではないでしょうか。実際は美濃焼の産地である岐阜県が国内最大の生産額です。タイトルでネタバレしてしまっている気もしなくもありませんが。。。笑
5年ほど前のデータにはなりますが、シェア率はなんと50%越え。上から、岐阜県(美濃焼)・長崎県(波佐見焼)・佐賀県(有田焼)という順です。
そんな美濃焼の特徴をご説明したいのですが、、、、これが非常に難しいのです。「特徴がないからご紹介できない」というわけではなく、美濃焼には種類がたくさんありそのどれもが異なった特徴を持っているために、「美濃焼といえばこれ」というものがないのです。ここからは伝統工芸品として指定されている美濃焼の一部の特徴をご説明していきます。
「志野」乳白色の柔らかさと赤褐色の力強さが特徴。様々な技法があり、グレーな色味の「鼠志野」なども人気です。
「織部」緑釉が特徴。戦国時代の武将・茶人「古田重然(しげなり)」通称「古田織部」が愛した焼き物ということで、織部焼と呼ばれています。
「黄瀬戸」少しくすんだ黄色の釉薬をメインとし、加飾として緑釉が用いられます。その特徴的な色味から「(黄)朽葉色」と呼ばれています。また、その柔らかな黄色と素地の質感が優れたものは「油揚手」とも呼ばれています。
「瀬戸黒」焼き上げの途中に窯から取り出し、急冷させることで特徴的な黒色を出しています。茶道用の茶碗が主な生産品です。
「天目」鉄分を多く含んだ釉薬を用いて焼かれる黒色の焼き物です。技法により「油滴」「曜変」「木の葉」などいくつかの種類に分かれる。ルーツである中国の南宋時代に作られ、日本に伝来した3点の「曜変天目茶碗」は全て国宝に認定されています。
上記以外に「灰釉」「染付」「赤絵」「青磁」「御深井」「粉引」「鉄釉」「飴釉」「美濃伊賀」「美濃唐津」の計15種類が国から伝統工芸品の認定を受けています。
【美濃焼の歴史】
ルーツとしては平安時代にまで遡りますが、美濃焼が大成したのは室町~戦国時代になってからです。室町時代に遡ることができます。千利休や古田織部などの茶人によって奨励され、茶の湯の世界における知名度を獲得していきました。
江戸時代からは大衆的な作品が多く生み出され、後期になるとそれまで陶器中心だった美濃焼ですが磁器の生産も盛んにおこなわれるようになりました。茶道具としての地位と大衆品としての身近さ、どちらも持ち合わせており多くの人に愛される焼き物となっています。
【美濃焼の有名な作家・窯元】
ここからは美濃焼の中で知名度の高い作家・窯元について数例ご紹介していきます。
①荒川豊蔵
荒川豊蔵は美濃焼の作家です。水月窯の初代当主でもあります。志野・瀬戸黒の分野における人間国宝に認定されました。 桃山時代の古志野の復興に尽力し、「荒川志野」と呼ばれる独自の風合いの作品を確立していきました。
②塚本快示
塚本快示は美濃焼の作家です。快山窯の11代目当主でもあります。白磁・青白磁の分野における人間国宝に認定されました。
③加藤卓男
加藤卓男は美濃焼の作家です。幸兵衛窯の6代目当主でもあります。三彩の分野における人間国宝に認定されました。ペルシア陶器のラスター彩や正倉院三彩の再興に尽力しました。
【こんな美濃焼を販売していました】
食器館でも、さまざまな美濃焼をお買取り、販売してきました。こちらではこれまで食器館で販売していた美濃焼について画像と併せて紹介していきます。
①快山窯 青白磁 魚紋鉢

上記でご紹介した塚本快示当主時代の快山窯の作品です。光沢のある鮮やかな青白磁が特徴の作品です。
②志野焼 田中源也 ぐい呑
田中源也は志野焼の作家です。こちらは濃い赤色が力強さを感じさせる作品です。

③蔵珍窯 手描き赤椿 ボンボニエール

蔵珍窯は美濃焼の窯元です。「ぞうほうがま」と読みます。こちらは手描きの椿が非常に印象的な作品です。
いかがだったでしょうか。既に販売済みの商品も含まれており、現在店頭にはないものもございますが、食器館では他にもたくさんの美濃焼を取り扱っております。お店を訪れる際には、ぜひ美濃焼をチェックしてみてください。
またこのHPではこれら以外にも過去にも取り扱っていた美濃焼をギャラリーとして紹介しております。
ギャラリー(美濃焼)
【おわりに】
美濃焼は日本一のシェアを誇る食器です。また種類も非常に多く、様々なデザインで皆様の食卓を彩っています。人間国宝をはじめとした多くの優れた作家も輩出しており、美術的価値の高い作品も多数ございます。今回のコラムで美濃焼の魅力について知っていただけたら大変うれしく思います。それではまた次回のコラムでお会いしましょう。