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食器館コラムVol.7~備前焼 窯変の美~

食器館コラムVol.7~備前焼 窯変の美~

 

備前焼とは、岡山県備前市で製造される炻器(せっき)の総称です。炻器は、陶器と磁器の中間の焼き物であり、非常に硬く吸水性がないのが特徴です。備前焼は釉薬を使わず、絵付けも行わず、非常にシンプルな焼き物として知られています。窯の温度や灰・炭などの環境変化により、色合いや模様に違いが生まれ、代表的な模様には胡麻・緋襷・青備前などがあります。

 

【備前焼の特徴】

備前焼の一番の特徴は、釉薬を使わない焼締めによって作られることです。茶褐色の土の色をそのまま生かす方法で作られる備前焼はシンプルではありますが、焼成時の火の当たり方による温度変化だったり、器を重ねる際に敷かれる藁などが焼かれた際に模様となったり、出来上がりは千差万別です。

 

【備前焼の歴史】

備前焼の歴史は非常に古く、ルーツまで辿ると古墳時代にまでさかのぼります。当時日本では須恵器と呼ばれる土器が作られていましたが、この須恵器が備前焼の基になったと言われています。鎌倉時代に今の茶褐色の備前焼が作られ始めました。室町時代や桃山時代には茶道具としての需要が高まり、備前焼は広く親しまれるようになりました。有田焼に始まる近世以降に作られ始めた陶磁器と一定の区別をするための呼称として日本六古窯(にほんろっこよう)というものがあります。備前焼・常滑焼・瀬戸焼・丹波(立杭)焼・信楽焼・越前焼が日本六古窯です。

 

【備前焼の有名な作家】

ここからは備前焼の中で知名度があるいくつかの作家・窯元についてご紹介していきます。

 

①金重陶陽

金重陶陽は備前焼の作家です。また備前焼として、初めて人間国宝に認定されています。江戸期以降、備前焼は有田焼や九谷焼の人気沸騰の影響を受けて以前よりも衰退していました。金重陶陽は個人としてはもちろん、多くの優秀な弟子を輩出するという形で備前焼の復興に尽力した人物です。

 

②藤原啓

藤原啓は備前焼の作家です。備前焼で2人目の人間国宝に認定されています。もともとは文学での活動をしていましたが、40歳前後から陶芸分野での活動を始めます。比較的遅めでの作陶開始でしたが金重陶陽や北大路魯山人などの著名作家からの指導もあり、晩年とはいえ人間国宝に認定されています。

 

③藤原雄

藤原雄は備前焼の作家です。備前焼で人間国宝に認定されています。先ほど紹介した藤原啓の長男として生まれました。父に師事し、史上初の親子での人間国宝認定となりました。

 

【こんな備前焼を販売していました】

 

①森丁斎作 中鉢

こちらは森丁斎の中鉢です。森丁斎は備前焼の作家で、備前焼の伝統を守りながら、新しい窯変技術を生み出しています。

 

②作者不明 ビアジョッキ

こちらは備前焼のビアジョッキです。備前焼は表面に凹凸があるため、発泡性の飲み物を入れると通常のグラスと比べて泡がきめ細やかになると言われています。また、保温性にも優れているため、ぬるくなりにくく最後まで楽しめるともいわれています。

 

③藤原啓 四方花入

こちらは先ほどご紹介した備前焼の人間国宝、藤原啓の四方花入です。花入は主に茶の湯の世界で花瓶のことを指す名称です。歴史的に茶道具としての需要が高かった備前焼の世界では花入と表されることが多いです。

 

いかがだったでしょうか。これらは既に販売済みの商品のため、現在店頭にはございませんが、食器館では他にもたくさんの備前焼を取り扱っております。お店を訪れる際には、ぜひ備前焼をチェックしてみてください。

またこのHPではこれら以外にも過去に取り扱っていた備前焼をギャラリーとして紹介しております。

ギャラリー(備前焼)

 

【おわりに】

備前焼は歴史が非常に古く、それ故に釉薬などを使わない非常にシンプルな焼き物です。それでも加飾や窯変によって出来上がる作品はそれぞれに特徴があり、それこそが備前焼最大の魅力だと思います。今回のコラムでそんな備前焼の魅力について知っていただけたら大変うれしく思います。それではまた次回のコラムでお会いしましょう。